卒業生の声 #03

佐久大学で「足と健康」を開講

坂江 千寿子さん
佐久大学 勤務

スクール事務局

現在のお仕事内容を教えてください。

千寿子さん

佐久大学看護学部で精神看護学を、看護学研究科でコミュニケーション論・修論指導などを担当しています。

そして、看護・介護・福祉を学ぶ学部生、短大生向けに【足と健康】という科目を開講して幼児保育から高齢者ケアまで、足育の3要素【フットケア、靴選びと履き方、運動】などを網羅して伝えたいと授業を組み立てています。

1年生向けのニッパーを用いた基本的な爪切り、3年生の在宅看護論の演習では高齢者向けのフットケア、短大生向けには子どものフットケアの重要性と基本技術をて伝えています。

スクール事務局

授業以外でも、多岐にわたって活動されていますね。

千寿子さん

一つは、佐久市の足育推進協議会の活動です。佐久市が行う世界最高健康都市構想のための健康つくり事業です。足に関する個々の悩みや相談を受け、足や靴について助言をしています。
またその窓口として大学内足育サポートセンター【足の保健室】などを実施しています。

その他には、看護学部や短大の学生へ、入学直後に、演習・実習用のナースシューズを選定するため、フットプリントを採取し、シューズのフィッティングをしています。

ケア提供者になる自分自身の靴の正しい履き方を身につけて、足から始まる健康づくりの意識化をはかっています。

スクール事務局

【足の保健室】魅力的な名前です。
実際にフットケアをしているのですね。

千寿子さん

2019年4月に教職員ボランティアで開設しました。
【足の保健室】では、巻き爪のサイドカット、陥入爪ケア、ワイヤー治療、そして胼胝、鶏眼除去などをしています。
必要なケアを見極めることができるようになってきたと感じます。

スクール事務局

フットケアを取り入れたいと思ったきっかけはなんですか。

千寿子さん

かつて精神科病棟で実習の受け持ち患者さんの靴がひどく摩耗していたり、足趾の変形、巻き爪、伸びた爪で靴が履きにいなど、自分に技術があればと感じた経験があります。

また、本学で足育に参加して、基本的な爪切りができ、足と靴の基本がわかる看護師になってほしい、教育の現場を変えたいと思ったことが動機になっています。

スクール事務局

その思いがきっかけとなり精力的にフットケアに取り組んでいらっしゃいます。フットケアをすることでの変化を感じますか。

千寿子さん

【足の保健室】のケアではすでに胼胝が消失しケアが不要になった方も多いです。
一方で、学生では爪周囲炎や巻き爪など、驚くような状態を見かけます。
角質ケアはセルフでも可能ですが、深爪や靴の不適合で爪のトラブルは多いと感じています。

先日、念願だったPBシュパンゲを学ぶことができました。手技的には、サイドカットをワイヤー装着前にするか、持ち上げた後にカットするか、の差が大きいものの、爪甲カーブを考慮したワイヤー形成、フックの作り方のポイントは似ていました。

その爪の状況とフォローアップも含めて、ORAかPBスパンゲか、選択肢が増えました。まだ、試行的ですが、爪甲上のプレートがフラットで、装着感は高評価です。

今後、巻き爪のサイドカットの手技の上達、さらにもう1種類のスパンゲを学び選択肢を広げること、人工爪など爪ケアに力を入れていきたいです。

自分では、靴の履き方、インソールの使用、毎晩の保湿で、足底胼胝は消失し、発達不全だった第5趾の爪がきれいに伸びてきました。外反母趾も悪化せずに済んでいます。

スクール事務局

佐久大学から多くの先生がたが当スクールを受講くださっています。
選んだ理由があれば教えてください。

千寿子さん

本学の客員教授をお願いしているベーレルッツ先生からの推薦です。
整形外科靴マイスターのベーレルッツ先生には、授業や研究でご指導いただいています。
当初、教育に生かせるよう爪切りの基本を学びたいと相談した際に、ベーレルッツ先生から、日本での講習の場は多いけれども信頼できる場所は少ないかも・・と
本場でドイツ式フットケアを習得された、中村先生がいらっしゃる貴学院は、正統派フットケアとしてその内容を学ぶことができるから、とご紹介いただきました。

スクール事務局

ご受講した当時印象に残ったことはありますか。

千寿子さん

実は、再試験の通知には、がっかりしましたし、気も重かったです。
しかし、手技の不足部分、誤解を修正いただき、かえって受けてよかったと思っています。

同様に、最近のPBシュパンゲの講習で、改めて爪ケアの基本、サイドカットや爪溝の清掃などをご指導いただきました。
再試験のような気分でしたが、深い学びになりました。

例えば、日ごろ自信が無かったサイドカット、切り残りについて、ストレスポイントまでの刃の角度や方向、進め方、支え方など、受講生本人が修得できるような具体的なご指導でした。

それ以降、サイドカットは、爪の痛みをとるための第一選択として、躊躇なく実施できています。

大きな緊張感がある中での先生がたの温かな視線が印象的でした。

Instagram・Facebook・Amebaブログ
Instagram
@jppodologieschool
Facebook
JPポドロジー(足学)
Amebaブログ
【足の学校 academy of totaltherapy】
スタッフkeiの徒然記録